ロンドンオカンの言いたい放題

心も財布もど庶民のオカンがいそいそとロンドンへ。何を間違ったかド級の金持ちがゴロゴロいる環境と接点を持たねばならなくなった。さあ、オカンどうする??

ロンドンでナーサリー探し

長女の小学校が決まったら、次は次女のナーサリー探しです。

ナーサリーというのは2年制の幼稚園みたいなものという位置づけでしょうか。イギリスには5歳になる年から「レセプション」という小学校準備学年という学年が小学校内に存在します。長女の学校では「キンダー」と呼んでいるので、幼稚園年長みたいな感じなのでしょうか。そうしますと、ナーサリーは年少と年中と考えてもいいと思いますが、大きな違いは、レセプションは義務教育、ナーサリーは非義務教育ということです。

つまり、こちらのサーチはややリラックスした感ありです。というのも、次女の小学校も確定したため、ナーサリーは見つからなければ行かねばよいという選択もありでしたから。オカンは早期教育にあまり興味を持っていません。面倒くさいというのが一番の理由ですが、枠にはめたくないというポリシーも一応ありました。人間は社会的動物だそうですから、どうせ大きくなるに連れて色んな制約が出てくるわけで、この時期ぐらい無責任自由気ままにテキトーに生きたっていいだろうよ(オカンは大人になってもテキトーに生きていますが、子どもがいる以上無責任にはもはやなれません、残念ながら)、と思っているのです。

とはいえ、3歳児をじっと家に置いておくのは子どももつまらないだろうし、何よりも家で仕事をしなくてはならないオカンが大変なのです。行けるものならナーサリーに行って友達とワーキャー楽しくお遊戯でもしておくれと思うわけです。誤解を恐れずに言ってしまえば、育児の丸投げです。極論にはなりますが、オカンは育児はその子どもを産んだ母親によってなされなければならないとは1ミリも思っていません。適材適所、その道に通じた人によってなされればいいと思います。つまりは、保育に長けた保育士でも、ベテランのナニーさんやベビーシッターさんでも、おばあちゃんおじいちゃんでも、果てまた近所のオバさんオジさんお姉さんお兄さん、寺の坊さん、教会の神父さん、養父母さんでも里親さんでも「愛情」と「規律」と「健全な精神」を持った大人によって安定した環境で生育されることの方がよっぽど大切だと思っています。

オカンは子どもたちに愛情は限りなくありますし、タイガーママというニックネームが長女のママ友間で囁かれていた事実があるので厳しさも持ち合わせていると自負します。がしかし、子どもを楽しませる術を持っているかと言うと甚だ疑問です。工作も裁縫も苦手。公園はもとより外に出るのが嫌い。最悪です。ドングリコロコロを誰よりも情緒豊かに歌って、キッズを必ず大爆笑のうずに巻き込む自信はありますが、それも正味10分でしょう。

ウダウダ言い訳並べましたが、要はナーサリーに行ってほしいんです。できれば。

 

というわけで彗星のごとく心強いお助けマンとして現れるは、A嬢です。

彼女にはオカンの次女と同じ歳の子ども(Bちゃん)がいます。よって、Bちゃんと同じナーサリーに行ってもええかなーとオカンはすりすりクネクネ。そのナーサリーだと長女の学校にも近いのよ〜、Bちゃんとも一緒だと心強いのよ〜ということで、太っ腹でおとこまえなA嬢は、「あ、私の名前使って下さい」とちゃっちゃとそのナーサリーに口をきいてくれ、登録料もポンドで立て替えてくれました。

ああ、ありがたやありがたや。

とはいえ、こちらも実はウェイティングリスト必須の人気ナーサリー。保護者には有名人やどこぞの国のプリンスなどもいらっしゃいます(行ってみて判明しましたが)。まあ、ダメ元です。

ナーサリーのヘッドミストレスはお話し好きな女性。長女の学校訪問の合間の隙間時間に面接と学校訪問をさせて頂きました。手応えは全く分かりませんでした。ヘッドミストレスのお話を延々と聞いて、世間話をしていた感覚です。学校施設はそんなに広くありませんが、清潔で明るく、いろんな工作や絵画が飾られ、あたたかい雰囲気は部屋に入った瞬間から感じられます。悪い印象はなにも受けませんでした。子どもたちも楽しそうで、先生たちも熱心でニコニコ。次女が毎日行くのが楽しくて人生ハッピーパラダイスな気分でいられるならそれで十分です。

手応えが分からなかったので、オカンはちょっと駆け引きを試みました。

「実は次女は来年、△プレップスクールへ進学が確定しています。(つまり、小学校進学先が決まらないと言ってあなた方をせっつくことはないですよ。なので、1年ちょろっと過ごさせて下さいよ。という意味を内包している)」

この学校探し目的のロンドン滞在中に結果を知らされることは叶いませんでしたが、後日、無事入れてもらえることになりました。駆け引きの効能があったのかは分かりません。とにかく、晴れてBちゃんという既知の友達と新しいナーサリー生活を送れる運びとなりました。うちの次女は本当にラッキーとしか言いようがありません。姉の頑張りで小学校が確定し、A嬢の口利きで友達のBちゃんと一緒にナーサリーに通える。すべて他人のふんどしで相撲を取りまくっているわけです。そんな人生でええわけないやろっとオカンはギリギリしますが、オトンはのほほんと、「ええやん、それでオカンが楽になったやん。しかも、人生ったってまだ生まれてから3年やで。これから色々あるがな。(註:オトン欧州人です。なんとなくとある関西の漫才師に面影が似ているのでオトンの言葉を日本語に訳すと関西弁になります)」

こちらのナーサリー、ちょっと困ったことに入学金をチェックか現金でしか受け取らないという不思議なシステムで、当時小切手の習慣がない外国に住んでいるオカンはどないせーっちゅーねんとまたギリギリ。こちらもやはり、前述のA嬢に協力を仰ぎ、彼女の口座へ海外送金し、彼女が小切手をきって払い込んでくれて事なきを得ました。これ、イギリスにこういうややこしいお金の絡むことをやってくれるような知人友人がいない転入者はどうするんだろう...と疑問に思った次第(オカンがこれを書いている2016年1月現在では振込も海外送金も可能になりました。そりゃそうでしょうよ)。

なんとか2人とも学校が決まりました。

 

次にするのは家探しです。平和な小国と違って、子どもの通学は大人の付き添いが必須な大都会ロンドン、学校に徒歩で通える距離に家を探さねばなりません。なぜなら、オカン一家は娘2人が私立に行くためフルタイムでナニーやベビーシッターを雇える金銭的余裕など露ほどもありませんし、そもそも自宅が事務所の自営業者です。子どもの送迎すら自分でできないのであれば安定企業で雇用されている方が、定収入、有給休暇ありでよっぽど楽チンなわけです。

さて、この家賃暴騰のロンドンで、しかも西部高級住宅地域で、果たして家が見つかるのだろうか。。。