ロンドンオカンの言いたい放題

心も財布もど庶民のオカンがいそいそとロンドンへ。何を間違ったかド級の金持ちがゴロゴロいる環境と接点を持たねばならなくなった。さあ、オカンどうする??

ロンドンで小学校を探す Part 3

学校選択の決めてについて。

結局、訪問した私立小学校は5校。

オカンの正直な感想を申し上げると、どの学校も甲乙つけがたし。ヘッドマスター、ミストレス(校長)はどの方も教育熱心でそれぞれの学校を大変に愛している様子が伺えるし(それは例え表向きのセールス手腕だとしても、オカンはそこに差は全く感じず)、学校環境もエリアによっては校庭の有無など差はあれど、そんなことはオカンの重要視するところではありません。ただ、学校それぞれにここに力を入れているよという部分に特徴がありましたので、オカンの教育観と娘の性格を照らし合わせると、意外とすっきりすんなり決められたように思います。

なお、この希望順位は面接及び学校訪問をした後で決めました。

 

まず、ドイツ人学校とイギリス私立校という選別。

ドイツ人学校評価も学校も内容も素晴らしいです。卒業生の行き先も優秀極まりないです。加えて学費もイギリス私立校の3分の1。ただ、せっかくイギリスに来ていて、ドイツのカリキュラムで全課程ドイツ語(バイリンガル校ですらない)でって、なんでイギリスに来たん??というヘンテコリンなことになってしまいます。それなら、前に住んでた国で教育受けてるのとなんら変わりませんよね?ということで、引受先があるのならイギリスの学校へという簡単な結論。もともと行く先がない場合のコンティンジェンシープランでしたし。

第三希望イギリス私立校

ロンドン北西部に位置するカトリック系列の女子校。立地よし、ヘッドミストレスはフレンドリーで落ち着いた温和な女性。カリキュラム内容も素人のオカンには素晴らしい内容に見えました。ナーサリーも併設されており、下の子もすぐに同じ学校でオカンは楽チンです。ただ一つの懸念点は、カトリック系なので宗教関連の授業が必須な部分。オカンは子どもたちを無宗教で育てています。宗教とは生まれで決まるものではなく、ある程度考えられる時期が来たら、自分で吟味して選べばいいと思っているからです。夫は科学者ゆえに生涯無宗教を貫いており、私は色々考えた結果、禅と神道をベースにして死んだじいちゃんを心の拠り所としています。

よって、何でも純粋に柔軟に吸収できる幼少の頃からある一つの宗教の過大な情報流入は避けたいと思っているのでそこが引っかかるところでした。

第二希望イギリス私立校

ロンドン南西部に位置するプレップスクール。カリキュラムや学校施設は素晴らしく、さすが5大女子校のうちの一つです。ただ、ナーサリーはないので下の子のナーサリーは別に探す必要あり。校長先生との親との面接は淡々と進みましたが可もなく不可もなく。とてもアカデミックで上品な素晴らしい校長先生ではありました。アセスメントを終えた娘に感想を聞くと、「うん、楽しかったよ。」とこれまた淡々とした参考にも何もならない感想。なんや、分からへんやん。。。とオカン。

第一希望イギリス私立校

ロンドン西部に位置するプレップスクール。5大女子校のうちの一つ。学校施設は閑静な高級住宅地に位置するためか恐らく一番狭苦しい感じでした。カリキュラムも第二希望校と大差なく。こちらもナーサリーはないので下のこのナーサリーを別に探す必要あり。ただ、こちらの学校長、超絶に明るく元気。学校を見学するときも、秘書やスタッフに任せるのではなくもう率先して自分がニコニコと時折ジョークを織り交ぜて見せて回ってくれます。「校舎、複雑でしょ?ボクよく迷うしよくぶつかるんだよね〜♪」とニコニコ。オカンは元気のいい先生が大好きです。子どもが6年間接する一番身近な大人です。元気で明るい気持ちのいい人が一番です。面接のときも、「あなたの教育観を教えて」と娘がどうこうではなく親の価値観を聞きたがり、面接時不在のオトンの面白おかしい化学実験の失敗話を腹を抱えて笑ってくれたり、オカンは楽しい時間を過ごせました。オカンの心をとらえたのは、「我が校はサイエンスと歴史教育に実は重きを置いています」という校長の一言。どの学校も英語と算数のレベルを強調します。それらもちろん勉学の基本中の基本。強調されても、あたりまえやん?と思うわけです。それをベースにどこに勉学を広げていくのん?と思ってたところにこの一言。刺さりましたね。オカンはこの校長に惚れました。

その間、娘は別室でなにやらアセスメントを受けていたようですし、下の子はレセプションクラスに連れていってもらって一つ上のお姉さんたちに遊んでもらっていたようでした。

全てが終わった後、退出する時、別のファミリーが面接を待っていました。良家のご家庭といった風に、お父様はびしっとスーツ、お母様は一糸乱れぬシャネルスーツに綺麗にセットされた金髪のヘア。お嬢様は紺色のドレスに革靴。綺麗に編み込んだ金髪の三つ編み。

瞬間、「あ、だめだこりゃ。この学校は落ちたな。。。」と残念ながら確信しました。

一方のオカン。オトンはミーティングがあるからとそもそも不在。「おまえさんに任せた」といって面接は全て単独参加。オカンは普通の白いシャツ、黒いパンツに歩きやすいフラット。おまけに3歳よれよれの下の子付き。肝心の娘はなんとか、一張羅のプリーツスカートとブレザーを着ていましたが、ふと気付くと膝頭に小さく穴があいているレギンスをご着用。がーん。

娘に「どうだった?」と聞くとよりによって、娘は顔を輝かせて「私はここの学校に行きたい。英語と算数のテストは分からないことばっかりだったけど、ママ、私最後まで諦めなかったよ。何度も何度もトライしたよ。」

うーん、その努力はオカンが世界で誰よりも認めてあげるよ。でも現実は厳しいかもしれない。たくさんの子がこの学校に行きたいみたいだから、行けないかもしれないということは覚えておいてなと言いました。

 

結果として、幸運にも第一希望の学校から翌日朝7時にお電話を頂き、このように言われました。

「あなたのお子さんを我が校は受け入れる決断をしました。アカデミックな到達度は我が校の基準にもちろん達していません。ただ、我々はあなたのお子さんに素晴らしい可能性を見いだしています。この年齢で、このレベルの英語とドイツ語を習得されているのが何よりもその証拠です。彼女は在校生へもより良い影響を与えるでしょうし、彼女自身も我が校で輝かしい学校生活を送ってもらえると思います。ようこそ我が校へ。」

オカンは嬉しかったです。

なによりも、娘が自分でこの学校に行きたいと行った学校から受け入れてもらえたということに。そして、オカンがよかれと思っていたことが少なくともこの学校の教育観と相違なかったことに。

というわけで、娘は叫び、オカンは安堵し、

「9月からよろしくお願いします」

とこたえて学校探しは幕を閉じました。

余談ですが、オファーレターが届くと同じ書式で2通入っていました。見ると、姉妹ポリシーにより、下の娘の2016年度同校入学も保証されましたという信じられないような幸運。これでオカンもオトンも一生分の運を使い果たしたので、宝くじには当たらないなーと思います。