ロンドンオカンの言いたい放題

心も財布もど庶民のオカンがいそいそとロンドンへ。何を間違ったかド級の金持ちがゴロゴロいる環境と接点を持たねばならなくなった。さあ、オカンどうする??

「子どもはイギリスで育てたい!7つの理由」うん、同感

オカンのブログには恐らく頻繁にA嬢なる人物が登場します。

オカンの長年の友人であり、ご近所さんでもあり、オカンにとってはロンドンの灰色の空に差し込む一筋の光明のような存在とも言えます。

そのA嬢のご友人、浅見実花さんが掲題カッコ抜きのタイトルで本を出版なさいました。よって、早速オカンも拝読にあずかりました。

どうやら、著者はオカンの娘と同年齢のお子様がいらっしゃるご様子。興味津々でページを開いたところ、その魅力的な筆致にひきこまれ一気に読破。

まず、タイトルと見出しページから。

出産から小学校教育までご経験された著者の分析やアイデアが7項目に分けて述べられているよう。すでにこの7項目に挙げられている見出しだけで、そうや!そうや!と思えてしまうのがオカンの短絡なところ。

そしてプロローグ。

オカンはこの13ページのプロローグですでに著者の浅見実花さんという方に深く感心することになりました。

まず、イギリスの階級社会の複雑さをよく理解していらっしゃること。オカンの子どもは私立にいっていますが、そこで出会った「上流階級」に属する方々の価値観というものは本当に庶民の想像をはるかに超えるものでした。子どもの教育観一つとってもオカンの子どもには参考にすらならない範疇で生きていらっしゃるわけで。よって、留意点に明確にその旨を記述なさっており、イギリス社会をよくリサーチなさったことが伺えます。

そして、比較文化類の本にありがちな、どっちが良くてどっちが悪いとばっさりぶったぎる論調がこの本には一切ないこと。浅見さんはご自分のリサーチや観察結果を元に常に一歩下がった冷静な視点で述べていらっしゃる。「両国を比べて、その優劣を付けたいわけではない。...だが、私たちはそれぞれ、自分なりに考えることができる。それをもとに変化を生み出すことができる。」という一文で、読者に、さあ、皆さんはどう思われますか?どうされたいと思いますか?と思考を促していらっしゃるように思います。子どもは一人一人違って、それぞれの子どもの数だけ生育過程があるわけで、浅見さんはこの著書内で、読者が思考する機会を与えてくれているように思ったのでした。

それに続く本文は頷かされること、共感する部分、新たな視点を提供されることが多く、また、オカンなりに私立校との違いを発見する部分もあり、イギリスの教育というものを深く考えるにあたって大変貴重な資料となり得ました。

オカンは教育立国と呼ばれる欧州小国からわざわざイギリスに子どもたちの教育の場を移しました。世界中からこの小国へ子息を送り込む家庭も多いのにです。

「なんで?わざわざ?」「こんな素晴らしい教育の国からイギリスへ?」何度となく多くの人から言われました。違うのです。この小国の素晴らしい教育方針や環境に不満があるわけありません。ただ、オカンの子どもたちにとって最も必要だと思われる部分がイギリスだとより重要視されている、ただそれだけのことなのです。この「最も必要だと思われる部分」というのは各家庭によって違いますから、イギリスの方針がいいと思う家庭もあれば、アメリカのそれがいいという家庭も日本のそれがいいと思う家庭もあってしかるべきです。それが、各家庭における教育観なのだと思うのです。

後は、ぜひ皆様がこの著書をお手に取ってそれぞれの教育観のようなものを認識されるのが良いと思いますので、ぜひ読んでみて下さい。